木造住宅の高さ規制の緩和

不動産知識・コラム

木造住宅の高さ規制の緩和


2021年11月に「木造住宅の高さ規制が緩和される!」というニュースが報じられました。
現在マイホームの購入を検討中の方であれば、このニュースがどういった内容なのか気になるところではないでしょうか?

3階建て住宅が建てやすくなる?


都市部などで近年増加している3階建て住宅。
表題の規制緩和は、その3階建て住宅が建てやすくなる!といった内容です。
現在の3階建て住宅と「何が変わるのだろうか?」
木造住宅の高さ規制の緩和の画像1

省エネ性の高い木造建築物を増やす。


今回の規制緩和は、省エネ性能の高い木造建築物を増やす目的の建築基準法の規制緩和のとのことです。
住宅の高さ規定と省エネ性能に何の関係があるのか??
そして、この規制緩和にどういったメリットがあるのかを解説します。

3階建て住宅の需要


冒頭で、3階建てが建てやすくなる!と謳いましたが、敷地の広さにゆとりがある地方に住んでいる方ですと、「そもそも3階建て住宅なんて建てないよ?」と思う方が多いかもしれません。
マイホームを建てる際に、大半の方が敷地が広ければ2階建て住宅を建てたいと思うでしょう。
しかし、東京などの大都市圏になると、限られた土地に満足できる居住空間を確保しなければなりません。
その場合、空間を縦に伸ばしてスペースの確保をする他なく、3階建て住宅が主流となっているわけです。

そこで、今回の高さの規制緩和がどのようにプラスに影響してくるでしょうか。

高さの規制緩和について


表題の政府による規制緩和は、前述の通り「省エネ性能の高い木造建築物を増やす」ということが目的となっており、
これを実現するために建築基準法の高さ規制を緩和する方針となっているようです。

現在、世界中で進められている『脱炭素化』の取り組みで、カーボンニュートラルという言葉を頻繁に耳にするようになっています。
そして今回の木造住宅の規制緩和は、脱炭素社会実現に向けた取り組みの一環に位置付けられており、
省エネ性の高い3階建て木造住宅を建てやすくするという事を目的として建物の高さ制限を緩和すると共に、行政手続きやコスト負担を削減するとしています。

高さ規制緩和の内容


従来の建築基準法の規制

高さ「13m超」の建物は、追加手続きや費用が必要
規制緩和後の新基準

高さ「16m超」緩和。これにより、省エネ性能の高い3階建て住宅が建てやすくなる。
※この規制緩和に関しては、2022年の通常国会にて改正案が提出されることになっている予定。
木造住宅の高さ規制の緩和の画像2

今回の規制緩和のメリットとは?


表題の規制緩和が必要と考えられた理由や、規制緩和のメリットについても考えます。

現在でも東京都心や川崎市、横浜市の一部に新築される戸建てに関しては3階建ての住宅が多くなっています。
それなのにわざわざ規制緩和が必要なのか?と疑問もありますが、
現行の建築基準法は、「高さ13mまたは軒の高さが9mを超える木造住宅」になると追加の手続きが求められます。
この追加手続きに関して専門家による安全性の解析などが求められることから、手続きを進める場合に数十万円のコストがかかります。

更に、近年の戸建て住宅は『省エネ性能』が重視されるという傾向があることから、
下記のような理由で規制緩和の必要性が出てきている様子です。

現在の規制は省エネ性と住みやすさの両立が難しい。


近年の戸建て住宅は、高気密・高断熱がキーワードになっているなど、省エネ性能の高さが追及される傾向にあります。

例えば、以下のような対策が採用されております。
床や屋根に断熱材を厚く敷いて断熱性能を高める。

各階の天井裏に換気や空調用のダクトを設ける。


このような対策が施されていることから、建物の高さが以前よりも高くなってしまう傾向にあるわけです。
そのため、従来の「高さ13mまたは軒の高さが9m」という規制を守った造りで家を建てると、
天井高が低くなってしまうなど、省エネ性能は実現できるものの居住性能が損なわれてしまうような事があります。
実際に国土交通省の試算によると、通常の3階建て住宅であれば高さの平均値が12.9mになるそうですが、
省エネ性能を追求した場合は平均15.5mほどになると予想されます。

建物の高さを16m超まで緩和!


この様な事情から、2022年の通常国会に木造住宅の高さ規制に関して「16m超」まで緩和するという方針が出されたわけですね。
この規制緩和がなされた場合、3階建て住宅を建てる際に居住性能が損なわれてしまう恐れがなくなる事や、
追加手続きが必要なくなる事で、省エネ性の高い3階建て木造住宅を建てる際の負担が大きく軽減されると期待されているわけです。

脱炭素化には不可欠!?


大都市圏では地価が高騰している事や、広い土地が少ない事から、居住面積を確保したければ3階建ての家を建てるしかない!という状況になっています。
しかし、従来の規制では十分な省エネ性能を持たせるには、何らかの負担を強いられてしまう…。
そんなデメリットがあったことから、この規制緩和で3階建ての省エネ木造住宅の普及が推進されると政府は考えているようです。
日本の伝統でもある木造住宅は、鉄骨や鉄筋造と比較すれば建築時の二酸化炭素排出量が4割程度少なくなるとされています。
カーボンニュートラルを目指すには、省エネ性の高い3階建て木造住宅の普及が必要不可欠だという考えに至ります。

まとめ
省エネ性と住みやすさの両立。


東京都心、川崎市や横浜市の一部など、大都市圏で新築戸建て住宅を建てようと思えば、
限られた土地に家を建てなければならない状況であることから、
どうしても3階建て住宅にしなければ満足のいく居住空間が得られない状況になっています。

しかし、従来の建築基準法をもとに3階建て住宅を建てると、今度は省エネ性能を重視するために、
さまざまな負担を強いられてしまうような状況になっていたのです。
それが今回の規制緩和により、住宅の機能性と居住性能を両立した3階建て木造住宅が実現できると期待されています。


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